「時間が存在しない」とは? (1)
2018-03-02


 非二元系の教えの中でよく語られる「時間が存在しない」という観念について、たまに「時間が存在しないとはどういうことですか?」と質問されることがある。

私たちは「時間が存在しない」と言われると、「それはどういうことか?」と質問が湧き起こるわけであるが、では私たちが当たり前に取り扱っている概念「時間」について、「時間が存在するとはどういうことか?」「そもそも時間とは何か?」 と改めて自分に問いかけてみれば、ほとんどの人はよく答えられないことだろう。

歴史上、多くの偉大な哲学者、科学者が「時間とは何か?」 に真剣に取り組んできたが、科学や哲学にとっては、「時間とは何か」に対する誰もが同意する決定的答えはまだないようである。科学者による時間研究がどこまで進んでいるかはあとで紹介するとして、まずダグラス・ハーディングがいつも言うように、他人の言葉ではなく、自分自身で「時間とは何か?」「時間が存在しないとはどういうことか?」を探求してみよう。

ダグラス・ハーディングが提唱した時間に関するシンプルな実験を紹介します。

実験の手順は下記のとおりです。

1まず、実験道具として時計かタイマーをご用意ください。

2今、向こうにある時計か、動作しているタイマーをしばらく眺め、それらが時を刻んでいることを確認してください。

3私たちの日常感覚で言えば、時間とは「変化と計測」です。私たちは今「変化」(時計、ないしタイマー上の変化)を計測(確認)しました。

4では、「時間はどこにあるか?」の質問の答えは、時間とは「計測されるところに」あります。時計やタイマーやその他、ありとあらゆる「変化と計測」の要素があるところに時間はあります。医者が脈拍を測るとき、そこにも時間があり、心臓の鼓動を聞いているとき、そこにも時間はあります。私たちが観察する世界は時間であふれています。人間の肉体は最大で約100年の時を刻む「時計」だというふうに考えることもできます。

5では、反対に「時間が存在しないところはどこなのか?」 これを示す実験をやってみます。目の前にある時計(あるいは数字が動いているタイマー)を手にとって、それを自分の目(だと思われている物)のほうへ少しずつ近づけ、しだいに時計の針やタイマーのデジタル表示がぼやけることを確認してください。つまり、しだいに私たちは変化を計測できない状態になり、時計やダイマーを自分の目(だと思われている物)にピッタリとくっつけると、まったく時間が見えなくなりました(ね?)  はい、今、私たちは時間のない世界へ到着しました(笑)。

私はダグラス・ハーディングがワークショップでこの実験をやるのを何回か見たことがあり、ダグラスの言葉を具体的に再現すればこんな感じだ。


続きを読む

[ハーディング]
[精神世界]

コメント(全0件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット