2010-08-23
2それから、人指し指を1本、目の前に立てて(自分の顔があると想定されている場所の前)、向こうに指(物)が見えていることを確認します。それから指の先端を自分側に向けて、もう一度向こうには指(物)を見ていることを確認します。それから、その指が何を指さしているか見てください。別の言い方をすれば、「私は何から、向こうの指を見ているのか?」を見てください。あなたは自分側に「何かの物」を見るでしょうか?
3ここで注意すべきことは、記憶や知識からではなく、現在のあるがままの現実・事実にもとづいて、見るということです。
4しばらく、そのままの状態で、自分側と目の前にある様々な物(Aや、もし鏡があれば[A]も含む)、つまり、主体と対象を同時にしばらく見てください。ここで重要なポイントは、Aという人間、肉体精神機構も、見る主体ではなく、見られている対象であるという点です。
5見ているもの(主体)は、一人の者(物)でしょうか?(私の経験では)自分から見た自分(つまり、主体)は、一個の物体ではなく、広く開かれた透明な空間で、その中に様々な物が動きまわっているように見えます。
6これを一番うまく人間クラブの言葉で表せば、巨大なスクリーン上に映画が上映されているという感じです。私たちの本質である静止している巨大なスクリーン上に様々な映像が映し出され、私たちが普通、自分だと思って一体化しているAや[A]もその映像の一つです。
7さらに、うまくいけば、主体(スクリーン)と対象(映像)が分離しているわけではなく、ただ「見る」ことだけが進行しているという感覚もつかめると思います。
8以上、一番簡単にどこでもできる実験をご紹介しましたが、今回うまく感覚をつかめなかった方は、また次回、気が向いたときに試してください。(下記に紹介しているサイト・本に色々な実験とその解説が掲載されています)
もちろん人間クラブで私たちが日常生活を送るときは、テレビとパソコンと太陽と花と人間はそれぞれ違うものであり、A、B、Cはそれぞれ違う一人の人間であり、A、B、Cはまるで自由意志があるかのように振舞っているという知識・区別、そういった「ふり」は必要であるが、本質的にはすべて一つの意識である。
マハラジ、ラメッシの教え、ダグラスの教え(と実験)はものすごくシンプルではあるが、だからこそ、「意識が存在するすべてである」というそのシンプルさがいわゆる「腑に落ちる」まで、盲目的に信じることなく、彼らが言っていることが真実・事実なのかどうかを探究し、練習すること(修行というより練習という感じ)が必要なのである。
参考サイト
ダグラス・ハーディングの長年の友人であるリチャード・ラングが、下記youtubeで、
「私たちの本質を見る」実験の動画(英語)を提供しています。ぜひアクセスして、いっしょに実験を楽しんでください。パート1Bに今回ご紹介した「指さし実験」が紹介されています。(日本語字幕つき)
[URL][LINK]
「頭がない方法」サイト
ダグラス・ハーディングの教え・哲学、実験の方法が日本語で掲載されています。
参考図書
「今ここに、死と不死を見る」ダグラス・ハーディング著 (マホロバアート)
「顔があるもの 顔がないもの」ダグラス・ハーディング著 (マホロバアート)
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