「ピーターの法則」―小沢さんと管さんの場合
2010-09-11


「ピーターの法則」(ローレンス・ピーター著 ダイヤモンド社)という今から40年ほど前に出版された本で、出版当事、世界中で非常に話題になった本がある。ご存知ない方のために、簡単にどんな内容の本かを説明すると、教育学者であった著者が、大企業、官僚組織のなかにはびこる「無能」について研究した本で、彼が発見した法則は一般に以下のような「ピーターの法則」として知られている。

(以下、ウィキペディア日本語版より)

1能力主義の階層社会に於いて、人間は能力の極限まで出世する。すると有能な平(ひら)構成員も無能な中間管理職になる。

2時が経つに連れて人間は悉く出世していく。無能な平構成員はそのまま平構成員の地位に落ち着き、有能な平構成員は無能な中間管理職の地位に落ち着く。その結果、各階層は無能な人間で埋め尽くされる。

3その組織の仕事は、まだ出世の余地のある、無能レベルに達していない人間によって遂行される。

(以上、ウィキペディア日本語版より)

例をあげて説明すると、たとえば、

ある大会社で、有能な営業部長がいるとしよう。営業のエキスパートでその会社の売上げに非常に貢献した人だ。有能であるゆえに、まわりからも会社からも出世を要請され、営業部長よりも上のポスト、重役のポストへ出世する。ところが営業部長としては有能であったのに、重役としてはまったく無能で役立たずであることが判明。万一、その人が重役としても有能であれば、さらに限界まで出世を余儀なくされ、たとえば、最高経営責任者まで出世して無能をさらけ出す。(一番目の法則)

他にも
スポーツ選手として優秀だった人の多くが、コーチや監督になると無能になる理由も、このピーターの法則に関連している。

さて、今なぜピーターの法則のことを思い出したかというと、民主党の小沢さんが、民主党代表選に立候補するというニュースを読んだからだ。いよいよ小沢さんもピーターの法則に従って、総理大臣になることを余儀なくされ、無能をさらけ出す時期が来たのかと……

ピーターの法則のどおり、政治家はトップ(総理大臣)になるとほとんど無能となる。野党のときは、有能な野党だった人も、与党になると無能な与党になり、大臣のときは有能だった人も、総理大臣になると無能になる。それは過去の日本の総理大臣のほとんどに当てはまることだ。

小沢さんは、幹事長としては有能だったゆえに、総理大臣としても有能になって手腕を発揮するだろうと、彼の支持者たちは期待するわけであるが、その期待の大きさゆえに、おそらくは総理大臣としては無能が際立つだろうと思う。彼は権力を取ろうと攻めているときは強くても、守りには弱いタイプである。

そもそも、小沢さんはパフォーマンスが好きな外向きの性格ではないし、裏でコソコソ権力をふるうのが好きな人であるので、総理大臣職という飾りみたいな仕事を楽しいと思えないだろう。総理大臣職とは、公務と会議に追われ、いつも笑顔で礼儀正しい言葉を使わねばならず、しかもマスコミに24時間監視され、女性やゼネコンとの密会もままならず……

では、菅さんはどうかといえば、野党のときには有能だった、それから与党になって、大臣になってもまだ有能だった。それでやはりピーターの法則に従って、総理大臣になった(させられた)。彼は、性格的に外向きでパフォーマンスが好きなので、総理大臣職は楽しそうではあるが、以前よりはるかに無能のように見える――小沢さんを立候補に追い込んだことは、彼の無能であろう。


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