「ハインリッヒの法則」
2010-09-21


前回は、有名な「ピーターの法則」(民主党の小沢さんは運よく無能レベルに出世しなかったので、彼はこれからも有能に活躍されることであろう)をご紹介したが、ついでに今回は、それに劣らず産業界ではよく知られている(が、あまり理解さていないような)法則、「ハインリッヒの法則」をご紹介してみよう。

それは1930年代、保険会社に勤めていたハインリッヒさんという人が発見した法則で、1件の重大事故の背後に、29件の軽傷の事故と300件の「ヒヤリ」「ハッと」する体験があるという法則だ。別名「ヒヤリハット」の法則、「1:29:300の法則」とも呼ばれている。

それは、たとえば、工場の大火事とか、企業の情報漏えいとか、社員の不祥事とか、医療ミスとか、マスコミで報じられる大事件、重大事故が起きたときには、たぶん、その組織内で、それ以前に、軽度の事故、トラブルが29件くらい、さらに300件くらいの「ヒヤリ」としたり「ハッと」したりする経験があったはずだ、というものだ。

「ヒヤリ」としたり「ハッと」するとき、「これはまずい」と思う人が企業内にいて、対策を立てれば、それは軽度・重度のトラブルに発展しないですむが、「ヒヤリ」「ハッと」を無視していると、軽度のトラブル・事故・事件へ発展し、軽度のものも無視していると、さらに重大なトラブル・事故・事件に発展する――数字の割合がどれくらい精確かは、私には実証できないが、でもこの法則が当てはまった事例はあちこちでよく見かける。

この法則は、企業だけでなく、家庭とか、あるいは単に一個の肉体精神機構(人間)にも当てはまることである――小さいミス、小さい不調、小さいトラブル(それはある種の警告のようなものだ)を無視していると、もっと大きなミスやトラブル・事故に巻き込まれやすい。

「ハインリッヒの法則」は一般常識として知っておくと、特に組織で働いている人には役立つだろうし、またスピリチュアルな教えを学んでいる人も、よくこの法則を理解し、警告が来たら無視しないことをお勧めする。

なぜかというと、スピリチュアルな人たちがよく使う観念、「あるがまま」とか、「起こることは神の意志」とか、「現象は幻想である」とか、「人生に問題はない」、こういった観念がしばしばネガティブに影響する結果、小さいミスやトラブルを無視して、大きなミスやトラブルに巻き込まれてしまう人たちがけっこういるからである――起きたことなんて、たいしたことないさ、だって、幻想だし、それに神の意志だし、私の責任じゃないし―みたいな(笑)

しかしまあ、スピリチュアルな道にいる人に関しては、事故・トラブル・極度の精神的苦痛のさなかに、神秘体験とか覚醒体験をする人も非常に多くいて、特にここ10年くらいそういう話を私はよく読んだものだ――主に、アメリカ人の話であるが――交通事故、大病、犯罪で刑務所に入る、破産、アルコール中毒・ドラッグ中毒等々。皆さんもよくご存知のバイロン・ケイテイは、極度のうつ病と肥満に苦しみに、肥満治療の施設で覚醒体験をしたのは有名な話だ。

だから、平穏無事ではなくて、ジェットコースター的人生をお好みなら、「ハインリッヒの法則」的生き方もスピリチュアル的には悪くないです――たぶん。


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