「動物園」・「人間クラブ」・「神の王国」(2)
2016-04-26


熊本・大分地方の皆様、地震お見舞い申し上げます。
 
前々回の続きです。

人間クラブ

意識が人間段階(人間クラブ)にまで進化した人と動物段階の人の一番大きな違いは、動物段階(動物園)の人たちの関心が常に他人志向であるのに対して、人間段階では、その関心が、自分と自分の目標にのみ向けられるということである。

動物段階では、自分が欲しいものを得ようとするとき、自分が努力して勝ち取るよりも、他人を利用して(操作して)得ることに執心する。なぜなら、自分のエネルギーを使わない分だけ、それのほうが「得な感じ」がするからであり、それのほうがより苦痛(苦労)が少ないと思うからだ。それに対して人間段階では、「自分の」力で「自分の」欲しい物を得ることに喜びを感じ、困難に出会ったときにはそれを乗り越えることにも喜びを感じる。だから、この段階の人は常に高い目標をもち、そのために努力を惜しまない。この段階の人たちのモットーは、get(獲得する)、achieve (達成する)、expand(拡大)である。代表的な人たち−−スポーツ選手、ビジネスの経営者、自己啓発の伝道者たち、など。

動物段階でも人間段階でも、人は自分のことにしか感心がない−−本当のところは。しかし動物段階の場合は、常にそれが他人経由の自己関心であり、だから、何か問題が起こったとき、悪いのは常に他人で(他人が悪いと、相対的に自分が正しいということになる)、動物段階の意識の人たちは常に他人の悪口を言い、他人を批判する。あるいは、他人と自分を比較して、自分の幸福と不幸の度合いを測ろうとする。

もちろん、人間段階の人たちも心の中では他人を批判するものであるが、批判を表現することは自分のためにならないし、時間も無駄だということをよく知っているので、そんなことをするよりも、自分の目標にエネルギーと時間を費やすほうがいいと考える。要するに、人は自分により正直になって、自分の幸福と目標だけを考え、動物段階よりも、より洗練された利己主義者になるわけである。

人間クラブでは、より強い信念・忍耐・集中力を持つことが成功の鍵である。しかし、名誉と報酬の高い地位(仕事)は、数が限られているので、動物段階とは違った意味で、人間クラブもまた非常に競争社会であり、その競争は、強い信念・忍耐・集中力というマインドの力による競争である。それゆえこのクラブで頑張っている人たちはある種の緊張状態にずっとあり、その緊張が楽しい間はいいけれど、緊張がストレスになると、精神・肉体の病気、その他の問題が人生に起きることがあり、その成功による幸福も長くは続かないことが多い。

スピリチュアル系のワークに関して言うと、人間段階のワークの目的はマインドのパワーを拡大することによって、「自分が何かを得る」ことである。したがってこの段階で、どんなスピリチュアル系の言葉(神、許し、愛、人類愛、豊かさ、悟り、奉仕等)が使われるとしても、その前提に個人があり、すべては「個人的」に獲得(ないし実現)するための、(神、許し、愛、豊かさ、人類愛、悟り、奉仕)であり、したがって、この段階での成功は、(本人が自覚するかいなかにかかわらず)人を非常に強力な利己主義者(個人主義者)にする。


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[進化論]

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