皆様、あけましておめでとうございます。
今年も、適当にゆるくブログを書いていく予定ですので、お暇なときにお付き合いください。
今年は、久しぶりに科学の話から書こうと思い立った。
昨年、何度か東京の街(新宿や渋谷)へ行って感じたことは、2020年の東京オリンピック開催の影響なのか、建築工事(オフィスビル、ホテルの建築、道路工事など)が非常に多いということだ。そして、私が住んでいる首都圏の街でも、ここ5年くらい新築マンションの建築が続いている。
素人の素朴な感覚から言うと、「人口が減っていく時代に、おいおい、そんなに新しい箱物をどんどん造って大丈夫なのか?」 という感じである。
箱物(コンクリート製の建物) の建築現場を見かけるときに、よく思い出す文章が、イギリスの著名な化学者であるピーター・アトキンスの本、「 エントロピーと秩序 」(日経サイエンス社)の中の次の文章だ。
「エンジンは、レンガ、ブロック、鉄骨などからビルをつくりだすことができる。しかし、これは『破壊』の結果としてできあがったのである。」 ( 115P「5章カオスの力」より)
「構造の一様性は、ほかのどこかがその犠牲として乱雑な状態になって、はじめて現れる。世の中のある部分に構造ができて一様性が現れるのは、それと同時に、ほかのところが大きな規模で乱雑状態へ崩壊していく場合である」(274p9章「カオスがつくりだす模様」)
以上の有名な熱力学の法則(一般的な言葉では「エントロピーの法則」と呼ばれるが)をもう少しわかりやすく言えば、
何かの構造物を造るためには、破壊(混乱=カオス)が必要である、ということである。つまり、じゃんじゃん箱物を建築するためには、それ以外のどこか他の場所でじゃんじゃん破壊(混乱)が必要ということである。
もちろん、創造(構造建築)と破壊(混乱)のバランスが取れていれば、別に問題はないわけで、創造(構造)→破壊(混乱)→創造(構造)というサイクルは自然のサイクルでもある。
しかし、日本の建築構造物に話を限れば、日本全国で使われていない非常に多くの老朽化したビル、人が住んでいない家屋が何もされずに放置されている現状を見ると、建築構造物の創造と破壊のバランスが取れているとは言えない感じである。
本当は、人が使っていない老朽化した建物・家屋をまず壊すか、リノベーション(全部を壊さず、必要なところだけ新しくすること)するほうが順番が先で、それから必要な新しい建物を造るべきなんだと思う。しかし、新築の箱物を造ることはお金が儲かるので、すぐに事が進行するが、老朽家屋の破壊やリノベーションは時間がかかり、お金も儲からないので遅々として進んでいないようである。
この日本の建築構造物の創造と破壊のアンバランスから予想されうることは、人間が創造と破壊の適切なバランスを造らないとしたら、自然がそれを無理やりやる可能性が高くなるということだ。つまり、災害(自然災害、人為災害)等による破壊がより起こりやすくなるということである。
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